会長ご挨拶

日本ペインクリニック学会
第7回関西支部学術集会

会長 岩元 辰篤
(近畿大学医学部麻酔科学講座)

日本ペインクリニック学会第7回関西支部学術集会の会長を拝命いたしました、近畿大学麻酔科学講座の岩元辰篤でございます。関西支部学術集会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。

本学術集会は、2026年9月26日(土)にホテル阪神にて開催いたします。このような貴重な機会を賜りましたこと、大変光栄に存じますとともに、会員の先生方、そして日頃よりご支援くださっている皆様に、心より御礼申し上げます。

本学会は、1983年に設立された「関西ペインクリニック学会」を前身とし、関西地区におけるペインクリニックの発展と啓発を目的に活動を続けてまいりました。以来約42年の歴史を重ね、現在は約779名の会員を擁し、特にペインクリニックを志す若手医師の発表の場として大きな役割を果たし、多くの演題をいただいております。

今回のテーマは、「痛みを究める〜痛みとは、痛みの治療とは〜」とさせていただきました。 現在の慢性疼痛治療においては、痛みと共に生きる患者を支えるため、私たちはその治療法を日々追求しております。しかしながら、「痛みをなくしたい」という願いは、患者だけでなく、私たち医療者にとっても共通の思いであります。近い将来、運動麻痺を伴わない局所麻酔薬や、呼吸抑制のないオピオイドが実現するかもしれません。けれども、それが果たして本当に理想の治療といえるのでしょうか。痛みはすべて取り除くべきものなのか。慢性痛の治療の過程で、新たな病を患ったときその痛みが覆い隠されてはしまわないか。局所的な鎮痛法である神経ブロックは最善の選択なのか。こうした問いは尽きることがありません。 私は今回の学会開催にあたり、このような葛藤や疑問と改めて向き合いました。そして、この学術集会が、皆様と共に痛みについて考え、知りたい気持ちで満たされるような場となることを願っております。

プログラムの構成は、例年同様に特別講演、教育講演、シンポジウム、超音波ガイド下ワークショップなどを予定しております。また、遠方の先生方にもご参加いただけるよう、一部プログラムにつきましてはオンデマンド配信も準備いたしました。

ご多忙の折とは存じますが、実りある学術集会となるよう鋭意準備を進めております。多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げます。